八重山日和(4日目・前半)

キミ

2017年07月05日 14:56

4日目、八重山最終日

たらふく飲み食いした前夜であったが、意外にも目覚めは爽快だった。
時計の針は7時を指している。
ホテルの朝食を食べ、さて、全く予定の無い今日は何をしようか…
いろいろ調べていると、以前の台風で断念していた「波照間航路」が
再開していた。

急いで身支度をし、チェックアウト。
波照間行きの船に飛び乗った。
ただでさえ波照間行きは海が荒れる。台風後は尚更だろう。
室内席は最前席だけが空いていた。(後に調べると最前席が一番揺れが激しいとのこと…)

リーフを抜けると船は大いに揺れた。波間をぬって最善の走行なの
だろうが、左右に激しく揺れ、たまに「浮く」。胃袋が「キュッ」
となる。酸っぱいものがこみ上げる。
ダメだ。もう限界だ。いっそ吐いてしまおうか。
否、まだ堪えられる。そんな反芻を何度も繰り返す。
隣では平然な顔をした若者が食事をしているではないか。
食い物の匂いだけでもイッてしまいそうだ。

何回目かの着水で不意に尾骨を強打した。姿勢が悪かったのか。
まさか、5ヶ月経っても痛みが取れない重症になるとは…



そんな苦行を1時間耐えると、日本最南端の有人島「波照間島」に到着する。
港にはレンタサイクル、レンタバイク、宿の送迎等が迎えに来ている。
全くの無計画だったので、フィーリングでひとつのレンタル屋に声をか
けた。
店の名前(敢えてここでは伏せるが)と、いかにも離島の男らしい店主に惹かれたのだ。

港からお店までの車内、おっちゃんの携帯電話が何度も鳴る。が、出ない。
「多忙過ぎてこれ以上予約の注文を受けたくない。もう人を見るのも嫌だ。誰も居ない所でゆっくり寝たい」と嘆く。
自分の客を目の前にして。そんな人間くさい彼が益々気に入った。

内地でこんな事を言ったら即、大炎上であろう。
SNSで噂が広まり、たちまち閉業に追い込まれる。
が、しかし、ここは八重山・波照間島。何故か許されてしまう。
否、許してしまう人しか来ないのであろう。



おっちゃんの大雑把なレンタバイクの手続きをして、いざ島内観光に出発!

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