八重山日和(4日目・後半)
無計画ながら、2回目の波照間島では行きたい所は決まっていた。
初回は夏場の電動アシスト無しのレンタサイクルで回り、散々な
目に遭ったので、今回はバイクにした。
島の中心にある集落と海岸までは、かなり高低差があるので、やは
り自転車では辛い。
【ニシ浜】
八重山一の美しさとも言われるニシ浜。
石垣島の川平湾、西表島の網取湾、竹富島のコンドイ浜綺麗な海は
たくさんあるが、なるほど確かにこの浜の美しさには言葉を失って
しまう。
「青」のコントラスト、空に浮かぶ白い雲、どこまでも続く穏やか
な海。楽園の名に相応しい絶景である。
遠浅なので、海に潜ってサンゴを楽しむダイビングはできなさそう
だが、この溜息の出る程の海はいつまで見ていても飽きない。
波照間島ではダムが無く、海水の淡水化を利用している。
節水に心がけよう。
【ウラピナ浜】
パイパティローマの伝説をご存知だろうか?
波照間島(パティローマ)の更に南(パイ)に楽園があると信じら
れ、重税に苦しむ島民数名が税の取り立てに来た役人の船を奪い、
夜中にひっそりとパイパティローマに向けて出航したのである。
ただ一人、忘れ物を取りに戻った女を置き去りにして。
南波照間島とでも言うのだろうか。
そのような島が存在したのかは不明であるが、この「事件」は確か
に実在している。
島の最も西側の道路、浜シタンの群落より少し南。
海へ向かう小道がある。進んでいくと行き止まりになるが、脇に
人ひとりが通れる僅かな道(?)がある。
遠くに出口が微かに見える。
進んで行くと…
サンゴの欠片で埋め尽くされた、人目につかない小さな浜が姿を現す。
遥か昔、この浜から船は出て行ったのだ。
打ち寄せる波に合わせて、サンゴかシャラシャラと響く。
あの時も同じようにサンゴは鳴っていただろうか。
船出した島民は帰ってきていない。
彼らは楽園を見つけることはできのだろうか。
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